USB-DDC 製作記 ▲factory top


はじめに

目的はPC内の、あるいはPC経由のデジタル音源を ピュアオーディオ系 で聴くことです。 DAコンバーターは既にある DAS-703ES を使います。

従って必要なのはDACではなく、DDCとなります。 DDCは Digital to Digital Converter の略で、 ここでいう USB-DDC とは、USB経由のデジタル信号を 一般のオーディオ機器でやり取り出来る S/F DIF (Sony/Philips Digital Interface) のデジタル信号に変換することを指しています。 もっとも最近のオーディオ機器ではUSBデジタル入力も一般的ですが(笑。

 

秋月電子 USB-DAC キット AKI.DAC-U2704 2020 Jun 28, Aug 13

ベースに、秋月電子が定価\1700で発売している USB-DACのキット AKI.DAC-U2704 を使っています。 キットの仕様は こちら。 このキットは巷では有名で、 検索すればたくさんの記事 が出てきます。

本製作ではこの基板をDACとしてではなく、DDCとして使っています。 この基板のDACチップは Texas Instrument 社のPCM2704で、 アナログ出力だけではなく、S/F DIF出力も持っており、 このキットではその端子が基板上にランドとしてあるため、 簡単にデジタル出力が取り出せ、DDCを作ることが出来ます。 本機ではアナログ部分は使わないので部品実装はせず、 S/F-DIF出力だけを使います。 また、電源はUSBから供給され電源回路も不要です。 PCにUSB接続されると、USB Audio DAC の名前で見えます。

下記回路図の赤ハッチの部分のランドがありS/F-DIF信号が取り出せます。 本製作では黄ハッチのアナログ部分はマウントしていません。 マウントした部品はキットに付属のコンデンサ4つだけです。
(下記 秋月電子の仕様書から引用)

PCからのUSBケーブル長は5mになりますが、 この長さだと私はプリンターで使っているUSB Type Bが一番に思い浮かびます。 一方基板上のコネクタはUSB Mini Bで、私はあまり馴染みがありません。

そこで、USB Type Bで受けてUSB Mini Bコネクタに接続するため、 コネクタ変換基板(マルツ) を使い、手元にあったUSB Mini Bケーブルを切って線材を接続し、 そのコネクタを基板上のコネクタに指すことにしました。 基板上のUSB Mini Bコネクタの周辺に直接半田付けする方法もありますが、 私の腕では小さ過ぎて無理と判断しました。 文章だとよく分かりませんが、要は下の写真の通りです。

左はPCからのUSB Type Bケーブル、コネクタ変換をして基板へ、 奥はDACへのCoaxialケーブル
USBコネクタ周りのメモと、S/F DIF出力部分

本構成で、デジタル領域はいわゆるビットパーフェクトであり、 音楽デジタルデータの劣化は全くありません。 すなわち音楽データ的には、このUSB-DDCは全く存在していないことになります。

デジタル領域ではそうですが、 最終的にはアナログに変換される際の時間軸の歪であるジッタが問題になります。 そもそもPCのクロックや、長いケーブル、 USB-DDCを通過したデジタル信号のクロックではジッタを無視できないでしょう。

その点で、DAS-703ESのDA部分のタイミングは、 デジタル入力信号とは独立したクロックに同期するPLLにより生成されていて、 アナログ部は元のデジタル信号の持つジッタの影響を受けません。 また、デジタル信号ラインはフォトカプラでアナログ部分から分離されていて (当然グラウンドも分離され) アナログ部分はデジタル部分のノイズの影響を受けません。 これらにより、システム全体としてはジッタやノイズに強い構成となっています。

 

使用風景

こんな風に裸の基板のまま、DAS-703ESの上に置いています
DAS-703ESのデジタル入力1にCDP、2にUSB-DDCを接続しています

こうしてデジタル音源を聴いてみると、 FLACやACCではCDと区別がつかないばかりか、 128kbpsのMP3の音が思った程悪くないのですが、私の耳が年をとったのでしょうか。 これはまだまだいろいろ聴き込む必要がありそうです。

さて、 インターネットラジオ ライフオーディオ で1日中聴いている時にはあまり気にならなかった、 各ラジオ局の音の味付けの違いも面白いです。 ロック系のドンシャリ気味のラジオ局はピュアオーディオでは聴けませんが (しかしライフオーディオではちょうど心地良い、、聴取者の生態を心得てますね) クラシック系では十分に聴いていられるラジオ局もありそうです。